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「九大に着任して、そしてこれから」
農学系 准教授
九大に来て数年、研究環境も徐々にではありますが、立ち上がりつつあります。福岡は初めてでしたが、食べ物もおいしく、生活もしやすいところです。まず私が感謝しなければならないのは、全学的な女性教員への支援体制です。子育てや介護に追われる教員に研究補助者を派遣する制度があり、また女性教員向けのスキルアップセミナーを開催してくださるなど、とても恵まれた支援体制があります。支援の一環として、科研費採択課題の申請書を閲覧したり、前年度に不採択となった申請書に対するご意見をいただいたりすることができました。このような支援のお陰で、子育てをしながらもなんとか研究と教育に励み、これまでに2件の科研費を獲得することができています。講義や卒業研究指導の他に大学院生の指導にも携わることで、新しい発見をし続け、学生さんや社会に農学研究の魅力を伝えていけたらと思っています。
研究者・教育者への適性に男女差はない。そう信じていますが、社会的かつ無意識な男女格差や役割分担が存在することもまた事実です。女性枠がなければ女性スタッフが増えることはまずなかっただろうと感じる場面も多々あります。私自身も大学での教育や研究、また自分の将来や子育てに関する悩みが尽きません。でも悩みや困難は、どんな立場でも状況でも出会うことであり、研究で何かを発見する嬉しさや困難も、子育てに関わる幸福感や難しさも、その立場になって初めて分かることがたくさんあります。いろんな立場の人がおおらかに教育や研究に持てる能力を発揮できるような研究室を作っていきたいですし、九大がそのような場になればと願っています。若い学生さんが興味のあることにチャレンジし続け、いろんな経験を積み、魅力的な社会人になっていけるような後押しができればと思っています。